すべて開く すべて閉じるQ.肝臓を悪くしないためには、お酒の量をどの位飲んでもいいですか?A.1日に日本酒なら2合、ウィスキーならダブル2杯、ビールなら大ビン2本ぐらいまでにしておくのが安全と言えます。女性の場合には男性よりも少ない量で肝臓病になりますので、更に量を控えたほうがいいでしょう。また1週間のうち1~2日、全くお酒を飲まない「休肝日」を作ると肝臓を休めることができより安全です。但し、すでに肝障害のある人は主治医にご相談下さい。Q.脂肪肝とはどんな病気ですか?A.糖分や脂肪分、アルコールなどの取りすぎによって、肝臓の組織の中に中性脂肪がたまった状態です。自覚症状はないことが多く、肝機能も正常な事があります。腹部超音波検査やCT検査、肝生検で診断します。脂肪肝の3大原因はアルコール、肥満、糖尿病で、原因が取り除かれると、治る可能性のある病気です。Q.C型慢性肝炎とはどんな病気ですか?A.C型肝炎ウイルスの感染によって長く肝臓の炎症が続き、肝臓の細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなる病気です。C型肝炎ウイルスに感染すると、約7割の人がウイルスのキャリアとなり慢性肝炎へ進みます。慢性肝炎が続くと、大部分の人が肝硬変、肝癌へと進んでいきます。Q.C型肝炎の治療にはどういうものがありますか?A.抗ウイルス薬(インターフェロン)でウイルスを排除したり、肝庇護薬(強ミノC、ウルソなど)により肝臓の炎症を抑える事によって、病気の進行や、肝癌の発生を抑える事ができます。Q.胆のうポリープがあるといわれました。A.胆のうポリープの大部分はコレステロールポリープといわれる良性のポリープです。その場合は年1回程度の腹部エコー検査による経過観察を行います。しかし、大きさが1cmを超えるものや急激に大きくなるもの、胆のうの壁が厚くなるものは悪性の可能性もあるため詳しい検査が必要になります。Q.膵炎とは?A.膵炎は膵臓が作った消化酵素で膵臓自身を消化してしまうためにおこります。膵炎には急性膵炎と慢性膵炎とがあります。急性膵炎では軽症であればほとんど治癒しますが、重症化した場合致命的になることもあり、早期から適切な治療が必要になります。慢性膵炎の場合徐々に進行しますが、破壊された膵臓の組織は完全に元に戻ることはありません。しかし、適切な治療と禁酒、食事療法で症状を和らげ通常の生活を送ることが可能になります。Q.最近話題のピロリ菌ってどんな菌?A.これまでは強い酸性状態にある胃の中には細菌は住めないと思われていましたが、20年ほど前に海外の学者によって、ピロリ菌が胃の粘膜に付着して棲息していることが発見されました。ピロリ菌は特殊な酵素をもっていて、それによって作られるアンモニアが胃酸を中和して胃に住みつくことができると考えられています。Q.ピロリ菌が胃潰瘍の原因になるって本当ですか?A.本当です。ピロリ菌が感染している胃には急性や慢性の炎症(胃炎)が起こっていることが多く、ひどい場合には胃潰瘍や十二指腸潰瘍などが起こります。その原因はピロリ菌がつくる傷害物質だけでなく、人体のなかでピロリ菌に反応してつくられるさまざまな物質が関わっているとされています。Q.ピロリ菌を退治することってできるの?A.できます。日本でも平成12年から、ピロリ菌が原因となっている胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者さんに対しては2種類の抗生物質を用いた除菌療法が保健適応になりました。この治療によって、これまで潰瘍をくり返していた患者さんの7~8割の方はピロリ菌が死滅し潰瘍が再発しなくなります。除菌療法は外来でも気軽にでき、1週間だけ薬をのめばその後はもう潰瘍の薬をのむ必要はなくなります。