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眼科

眼科診療について

外来では、これまで同様、白内障・緑内障を主体とする加齢性疾患を中心に、角膜疾患・ドライアイ・アレルギーなどの前眼部疾患、糖尿病網膜症をはじめとする網膜・硝子体疾患、コンタクトレンズと眼科全般にわたって診療しています。診療は医師3名が当たりますが、専門的な検査や小児の斜視・弱視の検査や訓練治療などは視能訓練士(ORT)が行います。

月曜日から金曜日までの午前中と木曜日の午後は一般外来、月・水曜日の午後は視能訓練および特殊検査、火・水・金曜日の午後は術前検査、特殊検査の他、レーザー外来を行っています。

入院では白内障・緑内障・翼状片などの手術症例が主で、手術症例数は表の通りです。
最近の傾向は眼瞼下垂症、斜視などの症例数が増加していることです。
また平成14年頃よりデイサージャリー(DS)の件数が急増してきています。
特に白内障手術は技術や器械の進歩によりかなり安全な手術となっていますので、ほとんどの患者様で日帰りまたは短期入院での手術が可能となっています。
当科でも患者様のご希望を考慮し手術を行うなどデイサージャリーを充実させています。

眼科手術件数

2017年度
2018年度
2019年度
2020年度
2021年度
白内障手術
501
550
662
634
610
緑内障手術
20
12
22
12
42
硝子体手術
44
34
34
43
45
翼状片手術
13
21
12
19
15
眼瞼手術
159
137
147
127
179
斜視手術
28
29
29
25
18
涙道手術
36
16
25
2
11
その他
81
24
32
18
38
抗VEGF療法
218
258
287
274
266
レーザー手術
134
60
63
41
65

1234
1141
1313
1195
1289

視能訓練士ってなに?

当院では視能訓練士が常勤としており、眼科診療で大きな役割を果たしています。視能訓練士(orthoptist)は視能訓練士法という法律に基づく国家資格を持った医療技術者で、様々な視機能検査を行うとともに斜視、弱視の訓練治療・リハビリなどを行い、目の健康を守る仕事に従事しています。

視能訓練士の加入により、午前の外来では今まで以上に、より専門性の高い特殊検査が出来るようになりました。また子供の弱視訓練を午後のゆっくりした環境で行えるように、週に2回専門外来を設けております。
乳幼児期は健やかな目の成長にとってとても大事な時期です。
何かありましたら、子供の視能矯正のエキスパートである視能訓練士にお気軽にご相談ください。

白内障手術の進歩

ここ数年の白内障手術の進歩にはめざましいものがあります。
最新の超音波乳化吸引装置の性能が飛躍的によくなりより、安全かつ迅速に手術が行えるようになりました。
白内障を除去した後に代わりに移植する眼内レンズはシリコンやアクリルなどの特殊素材の折りたたみレンズやインジェクターの普及でより小さな切開で手術が可能となり、合併症の軽減に大きく貢献しています。いまや白内障手術は、我慢して視力が落ちるまで待つものではなく、何らかの症状が出れば視力が良くても行われる手術となりました。

眼瞼下垂について

上まぶたが垂れ下がって上がりにくい状態を「眼瞼下垂」と言います。
まぶたを持ち上げる役目をする筋肉(眼瞼挙筋など)の機能不全が主な原因です。生まれつき(先天性)のものが多いのですが、最近は年齢とともにまぶたが下がってくる症状を訴えられる方が多くなってきています。

眼瞼挙筋が加齢によってうまく働かなくなったものを加齢性の眼瞼下垂と呼びます。眼瞼下垂は大人では視力に影響しませんし、徐々に進んできているので“年のせい”ということで放置されていることが多いようです。
しかし、まぶたが上がりにくいと視野も狭くなります。また、まぶたが上がらないのでそれを補うために、無意識にあごを上げたり、眉毛を吊り上げてものを見ようとします。
額にしわが多くなったり肩がこりやすくなったりと2次的な症状も出てきます。

加齢性の眼瞼下垂の治療としては手術が中心です。まぶたの皮膚を切除するだけの方法やまぶたを持ち上げる眼瞼挙筋を短縮する方法など症状に応じた手術法を選択します。

いずれも局所麻酔で1時間程度の手術です。
当院ではデイサージャリーでこの手術を行なっています。手術は日帰りでも、1~2泊の短期入院でもできます。
はじめは“もう歳だから”と言われていた方も、いざ手術をされると、視野が広くなったり、額のしわが少なくなったり、肩こりがなくなったりなど“楽になった”と喜ばれることが多いので、思い当たる症状がある方は一度眼科を受診されてみてはいかがでしょうか。

子供に見られる先天性の眼瞼下垂も治療は手術です。
両眼性ではあまり急ぐ必要はありませんが、片眼性の場合は弱視や斜視になりやすいので早めの治療が必要です。

後天性(生まれつきでないもの)の眼瞼下垂の中には、動眼神経麻痺や重症筋無力症など眼瞼以外に原因がある場合があります。動眼神経麻痺は脳腫瘍や脳動脈瘤など生命にかかわる病気が原因で起こることもあります。
また眼瞼下垂で受診されて糖尿病が見つかることもあります。
特に急激に眼瞼下垂が起こった場合はすぐに眼科を受診することが必要です。

ドライアイってなに?

この数年注目されてきている眼疾患で、基礎的に分泌され目の表面を保護する涙液の、量的、質的異常です。目が疲れやすい、何となく目に不快感があるという人の中のかなりの割合でこのドライアイを認めます。乾燥感はもちろんですが、大半は、目が重い、疲れやすい、目がごろごろちかちかする、目が痛い、まぶしい、かすむなどの多彩な症状を呈し、目の表面が刺激に敏感になっているため反対に涙が出るといった症状も実はドライアイが原因になっていることがあります。

進行すると角膜上皮に高度の障害を来すこともあり視力にも影響してきます。
最近増加傾向にあるアレルギー性結膜炎、コンタクトレンズの装用、VDT作業、ストレスなどはすべてドライアイの増悪因子で、こうしてみると現代人を取り巻く環境がこのドライアイを急増させているといえます。治療は人工涙液の点眼、ドライアイの増悪因子を取り除くことや合併症の治療、その他涙点プラグの装用などの外科的処置も有効です。
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