治療
麻痺の型、損傷高位レベル、損傷程度により治療法も異なります。
また、損傷直後か損傷後1年以上経過しているかにより、選択する治療法は異なります。
損傷程度については前述しましたのでご参照ください。
損傷程度については前述しましたのでご参照ください。
損傷高位レベルによる治療
引き抜き損傷
損傷された神経を縫合することはできませんので、腕神経叢の側にある神経を移行します。
もちろん、神経を移行した後に機能障害を起こすような神経は移行できません。
副神経や肋間神経などが移行する神経として選択されます。
もちろん、神経を移行した後に機能障害を起こすような神経は移行できません。
副神経や肋間神経などが移行する神経として選択されます。
断裂
損傷された神経は欠損が多いの普通で神経縫合はできませんので神経移植を行います。
神経の移行や移植手術は腕神経損傷後6ヶ月以内でないと適応がありません。
神経の移行や移植手術は腕神経損傷後6ヶ月以内でないと適応がありません。
それ以後に手術(神経修復)をしても、筋肉が萎縮し、例え神経が回復しても充分な筋力が回復できません。
この場合は後述する筋腱移行術を行います。
この場合は後述する筋腱移行術を行います。
麻痺型による治療
全型麻痺
全型麻痺の多くは引き抜き損傷によるもので、その予後は不良です。
全型麻痺は上肢が肩から下、手指まで全く動きません。
肩甲骨は腕神経叢以外からの神経から支配されていますので、肩甲骨が動くことによって肩が少し動くように見えることがあります。
全型麻痺の治療法は、従来、肋間神経を移行して肘屈曲を再建し、肩固定術を2次的に行う方法が主たるもので、手指が動かないので、機能回復は満足できるものではありませんでした。
現在では、私達の開発した2回の筋肉移植に肩機能を再建するdouble free muscle transfer法(Doi法とも呼ばれています)により、肩・肘機能だけでなく、手指屈伸機能も回復できるようになり世界で最も優れた機能回復手術として評価されております。
全型麻痺は上肢が肩から下、手指まで全く動きません。
肩甲骨は腕神経叢以外からの神経から支配されていますので、肩甲骨が動くことによって肩が少し動くように見えることがあります。
全型麻痺の治療法は、従来、肋間神経を移行して肘屈曲を再建し、肩固定術を2次的に行う方法が主たるもので、手指が動かないので、機能回復は満足できるものではありませんでした。
現在では、私達の開発した2回の筋肉移植に肩機能を再建するdouble free muscle transfer法(Doi法とも呼ばれています)により、肩・肘機能だけでなく、手指屈伸機能も回復できるようになり世界で最も優れた機能回復手術として評価されております。
Double Free Muscle Transfer法の概略
Doubel free muscle transfer法(以下、DFMT法と略します)の手術法は
- 第1回目手術での神経移植術か、神経移行術による肩機能再建
- 第2回目手術での第1回目筋肉移植による肘屈曲と手指伸展再建
- 第3回目手術での第2回目筋肉移植術による指屈曲再建と同時に行う肘伸展手指知覚再建からなっています。
- 術後のリハビリ腕神経叢損傷の手術後リハビリは特に重要で、長期間を要します。DFMT法の場合、手術後3~5ヶ月で移植筋に神経が入ってきます。その後、2,3ヶ月後に指、肘が動き始めます。その後は筋力の増強運動を行います。
- 手術の成績を左右する因子年齢:若い人ほど、神経回復は良好です。40,50歳になると神経回復が不良になるので、DFMT法は40歳前の人に原則として勧めています。損傷してから手術までの期間:事故から6ヶ月以内が適応となり、これ以降は他の手術を併用します。リハビリ期間:手術後最低1年はリハビリを行うことが条件です。合併損傷:鎖骨下動脈損傷、副神経損傷を同時に合併しているときにはDFMT法は行うことができません。